2018年1月24日(水)東京都内にて、ユーザー投票により、日本が誇る「おいしい」お店を選出する
「The Tabelog Award 2018」の授賞式を執り行いました。
「The Tabelog Award 2018」は、ほんの一握りの美食家ではなく、
実際にお金を払って食べに行った一般消費者の評価をもとにした、いわば食の国民投票です。
独自の年間グルメランキングとして2007年より開始した「食べログ ベストレストラン」がベースとなり、
昨年から「おいしいを、讃えよう。」という新たなキャッチコピーを掲げ、リニューアル。
一年を通じて、極めて高い評価を獲得し続けた全国580のノミネート店舗から、食への関心が高い食ベログユーザーによる投票で、
“Gold”(この国のどこにあったとしても、生涯通い続けたいお店)33店舗、“Silver”(一生に一度は味わっておきたい、匠の技に出会えるお店)124店舗、
“Bronze”(レストランを語るなら、必ず押さえておくべき名店)423店舗、それぞれを選出するコンセプトになっています。
また、本年は「Chefs' Choice」、「Best New Entry」、「Best Regional Restaurants」、「Best Hospitality」という4つの賞を新設しました。
この日、グランド ハイアット 東京のグランドボールルームには、受賞対象としてノミネートされた全国トップの名店の代表が一堂に会しました。授賞式が始まるまで、普段はなかなか話せない料理人同士、交流を深めたり再会を喜び合ったりして、思い思いに会話を弾ませていました。
授賞式が始まると、期待と興奮で会場内は一気に盛り上がりを見せます。
まずは食べログの創設者であるカカクコム取締役の村上敦浩より挨拶が始まります。村上は、「The Tabelog Award 2018」の主旨説明とともに、日頃の皆様への感謝、そして全国の優れたレストランを日本のみならず世界中に届けてゆきたいという思いを出席者に伝えました。
授賞式は、数多くの料理人から尊敬を集める料理人を選ぶ「Chefs' Choice」の発表からスタート。受賞した「京味」西 健一郎様が登壇し、尊敬と注目の眼差しが集まります。司会者が「西さんがこのような場にご参加いただけるのは本当に珍しく、貴重なことですね」と話すと、「私はこういった賞をもらうことはあまり好みません。しかし、私の言葉が若手の料理人の皆さんにとって、何かのお役に立てればと思って来ました」という西様。ご自身の料理人としての経験を交えながら、「料理というものは季節が教えてくれる」「変わったものや高いものと本当に“美味しいもの”は違う」「死ぬまで勉強」といった数々の貴重なお言葉を下さり、集った料理人たちは刺激と感銘を受けていました。
続いて、Bronze(423店舗)の発表へ。今年は、各テーブルに置かれた封筒を一斉に開け、「ブロンズカード」が入っていたお店がBronze受賞という形で発表いたしました。緊張の面持ちで封筒を開封する姿から、「The Tabelog Award 2018」に対する皆様の真剣な思いが伝わってきます。Bronzeを代表して壇上に上がった秋田県「元祖 むらさき」の見上聖貴子様は、驚きと喜びが込み上げ、感動されたご様子でした。
次は、今、食べログユーザーから注目されている初ノミネート店に贈られる「Best New Entry」が発表され、5店舗の代表が壇上に立ちます。昨年2月オープンでいきなりGoldも獲得した人気の中華「茶禅華」の大下太洋様は、「沢山のお客様にお越しいただき、一年目からバリバリやらせてもらいました。今年もさらなる飛躍の一年となるよう精進してまいります」と意気込みを語りました。
続いて、“どんなに時間をかけてでも、食べに訪れる価値があるお店”として東西を代表して選ばれた「Best Regional Restaurants」の発表へ。東日本の受賞者、岐阜県「柳家」の山田和孝様は、「我々のような田舎のアクセスの悪いお店にも全国各地から多くのお客様が足を運んでくださるようになったのは、食べログの存在が大きかったように思います。“生まれ育った土地や食材をどう活かすか?”をひたすら考え、たどり着いた結果が今となっているので、地方のお店を代表してこの賞をいただけたことを光栄に思います」と誇らしげに語りました。西日本は滋賀県「比良山荘」が選ばれ、ご主人の代理で女将の伊藤有紀子様が登壇し、喜びを噛み締めていました。
そして、“接客サービス・ホスピタリティが優れているお店”を選ぶ「Best Hospitality」は、サービスだけでなくお客様を喜ばせる演出が素晴らしいと話題の「傳」が受賞。スペイン出張のため欠席の長谷川シェフに代わり、女将の長谷川えみ様が壇上に。司会者が「チーム傳のホスピタリティの秘訣は何ですか?」と質問すると、「実は何か特別に決まったルールはないんです。お客様を大切な家族のように迎え入れ、心から楽しくて美味しいと思える空間を作るように心がけています。スタッフ同士のコミュニケーションも密に行なっており、その信頼関係がチームワークに繋がっているのではないかと思います」と笑顔で答えられました。
まず、Silver(124店舗)の発表では特別プレゼンターとして、EXILEパフォーマー、そして三代目 J Soul Brothersリーダー兼パフォーマーのNAOTOさんが登場。「ツアーで全国をまわったときに、実際に行ったことがあるお店もたくさん受賞されていて、こうして直接お祝いできることがとても嬉しいです」と語り、トロフィーを授与されました。
Silverを代表して登壇したのは「未在」「トゥ・ラ・ジョア」「ロオジエ」「初音鮨」の4店舗。各店の店主が一人でステージに上がるなか、「初音鮨」はご夫婦で仲良く手を繋いで登場。司会者が「初音鮨といえば、お二人の息のあったコンビネーションも魅力の一つですね」と言うと、「女将あっての初音鮨ですから」と笑顔で話す店主の中治 勝様。奥様が「ちょっと恥ずかしいです」と赤ら顔で答えると、会場は笑いに包まれ、仲睦まじいお二人に祝福の拍手が送られました。
そして、授賞式のクライマックスとなるGold(33店舗)の発表へ。特別プレゼンターとして登場したダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんは、「美味いものを食べるために生きている」というほどの食通。店舗の名前がひとつひとつ発表されるたびに、会場の緊張感は一層高まります。日頃からお世話になっているお店も多いという寺門さんは、「日本は食材も料理人も優れているので、これからも世界に誇る日本の食を楽しんでいきたいですね」と語り、感謝の気持ちを込めてトロフィーを授与しました。受賞者の方々が登壇されると、会場からはその栄誉を讃えて盛大な拍手が送られました。
寺門ジモンさんも太鼓判の焼肉店「スタミナ苑」の豊島雅信様は「いつでも常に前進あるのみ」と熱く語り、今年Gold初受賞の「SUGALABO」の須賀洋介様は、「2018年は料理のクオリティーにより一層磨きをかける一年にしたい」と今年の抱負を述べました。
福岡の「天寿し 京町店」の天野 功様は、「昨年は目を悪くしてしまい波瀾万丈の一年でしたが、その経験を通じて五感の大切さや握れることの喜びといった、初心に立ち返ることができた年でもありました。半年間私の目の代わりになって店を支え続けてくれた弟子に、この場をお借りして心からの感謝の気持ちを伝えたいです」と涙ながらに語られ、会場は感動に包まれました。
イチリン ハナレ
斎藤 宏文 様
鎌倉まで来ていただく「価値」を作るべく、またゼロからスタートします
オープンして一年も経過していない我々がこの賞をいただけたことに、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。築地にある姉妹店の「東京チャイニーズ 一凛」のお客様が鎌倉まで来てくださることが多く、その繋がりがあったからこそだと思っています。今年は今まで積み上げて来たものを敢えてゼロにして、一人でも多くのお客様の笑顔のために、新しい「イチリン ハナレ」をまた一から創造していきたいです。
成蔵
三谷 成蔵 様
とんかつを「ブーム」で終わらせることなく「ムーブメント」にしていきたい
オープン当初は全くお客様が来なかった当店が、近年のとんかつブームの流れを経て、昨年は本当に多くのお客様にお越しいただきました。本日の受賞は自分自身の信条やこだわりを貫き、それを多くの方に応援していただいた結果なので、嬉しくまた誇りに思います。「とんかつの黄金時代到来」とよく言われますが、単なる流行りで終わらせることなく持続可能な「文化」にしていけるよう、日々精進していきたいです。
トゥ・ラ・ジョア
須本 一信 様
2018年は一味違う「トゥ・ラ・ジョア」で皆さんをおもてなしします
全国各地のシェフが一堂に会し、様々な情報交換ができる場は滅多にないので、とても刺激的で充実した時間でした。料理人として大切にしていることは、味だけでなくサービスや空間など全ての総合点を向上させ、お客様に最高の体験をお届けするということです。昨年厨房を一新したこともあり、今年は新しいエッセンスを盛り込んだ、ひと味違う「トゥ・ラ・ジョア」を作っていければと思っています。
本湖月
穴見 秀生 様
食い倒れ大阪の食文化を発信していきたい
本日は乾杯の挨拶をさせてもらい、少し緊張しましたが貴重な体験をさせていただきました。「食い倒れの街」と呼ばれる大阪の日本料理店として、全国から集まる素晴らしい食材を活かし、大阪の食文化を発信したいと思っています。今年もマイペースに、あるがままのスタイルを大切にしながら、自分の感じた季節感を反映させた料理を通して、お客様に楽しい時間を過ごしてもらえるよう努力を続けたいです。
すし処 めくみ
山口 尚享 様
素材と技術と融合させて「北陸ならでは」の一貫を究めたい
今年初めて授賞式に参加させていただいたのですが、予想以上の盛り上がりに圧倒されました。これまで金沢の鮨屋は、「魚の鮮度や素材力」という地方の強みがありましたが、近年の魚の減少によって、素材の良さを引き出す「技術力」が問われているように思います。今年も「ただ美味しいものをお客様に出し続けたい」というその一心で、独自の研究を日々重ねながら、最高の握りを究めていきたいです。
初音鮨
中治 勝 様
「挑戦」なくして、初音鮨なし
女将あっての初音鮨ですから、一緒に手を繋いで壇上に立てて嬉しかったです。「夫婦仲良しの秘訣は?」とよく聞かれるのですが理由は「噛み合わないこと」でしょうか(笑)。お互いのセンスや価値観の違いを受け入れ、それを尊重しているからだと思います。今年は、常連さんはもちろんのこと、今までお越しいただけなかったお客様の新鮮なお声も大切にしながら、挑戦を恐れずに更なる飛躍の一年にしたいと思っています。