ところどころで湯けむりを上げる別府温泉の一角、なだらかな山の中腹に佇む一軒家だ。ケヤキ一枚板のカウンターからは別府名産の安山岩の石庭が望めるが、大分らしさが味わえるのは眺望ばかりではない。たとえば美しい里山の風景を映し出したかのような八寸は店主・廣門泰三が修業した名店「銀座 しのはら」譲りのスタイルだが……

京料理の技と鎌倉食材の融合が、日本料理界に新風を巻き起こしている。京都「和久傳」の各店で16年の研鑽を積み、「丹」の料理長としても知られた北嶋靖憲氏。2021年5月、独立を機に故郷である鎌倉にこの店を構えた。地の食材に主眼を置き、中でも一流シェフ御用達の魚仲買人・長谷川大樹氏が扱う相模湾の珍しい鮮魚を活かした料理の数々は……

軽井沢の美しいカラマツ林に佇む、瀟洒な山荘といった趣のレストラン。繰り出される料理は、どれも端正なプレゼンテーションながら、独自の発酵技術を駆使した創意工夫と驚きに満ちている。スペシャリテの“ビーツの再構築”は、ビーツを火入れや熟成、真空調理、乾燥・粉砕など多種多様な料理を施し……

かつて万年筆店だった有形文化財の建物の奥へ進むと、端正なタモの一枚板カウンター。この8席は、今や少なくとも1年先まで予約が埋まるプラチナチケットとなっている。「能登各地の生産者の方々の応援に支えられてこの店はある。選りすぐりの特級品をこの川嶋に使わせていただけることに、本当に感謝しかありません……

大阪を代表する料亭「本湖月」で11年、岐阜市の日本料理の名店「たか田八祥」で6年の修業を積んだのち、2022年1月に名古屋で「橦木町しみず」を開業した清水陽介さん。独立するにあたって店の幹に据えたのが、故郷・岐阜の四季を感じられる料理を出すことだ。たとえば夏なら……

2021年7月、『フォーシーズンズホテル丸の内 東京』のシグネチャーフレンチレストランとして開業した『セザン』。総料理長のダニエル・カルバート氏は、NYの3つ星店『パ・セ』にて最年少でスーシェフに就任、パリの3つ星店『エピキュール』でも研鑽を積んだ。……