授賞式典レポート
おいしいを、
讃えよう。

The Tabelog Award 2020 授賞式典レポート

2020年1月29日(水)、東京都内にて、日本が誇る「おいしい」お店をユーザー投票により選出する
「The Tabelog Award 2020(食べログアワード 2020)」の授賞式が行われました。

「The Tabelog Award 2020」は、審査員や批評家の評価ではなく、
実際にお店を訪問し食事をした一般利用者のリアルな評価を反映させた、いわば「食の国民投票」です。
2007年より開始した年間グルメランキング「食べログ ベストレストラン」をベースに、
2017年から「おいしいを、讃えよう。」という新たなキャッチコピーを掲げてリニューアル。今年で4回目の開催です。

食べログに掲載されている約90万店の中から、1年を通じて、極めて高い評価を獲得し続けた全国629店がノミネート。
食への関心が高い食べログユーザーによる投票で、今年は 「Gold」34店舗、「Silver」102店舗、「Bronze」488店舗と、合計624店舗が選出されました。

また部門賞として、「Chefs' Choice」「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」も決定しました。
なお、今年は「Best Hospitality」「Best Sommelier」の2部門に関しては、ユーザーからの得票数が基準値に満たなかったため、該当なしとなりました。
ぜひ来年は、各店の素晴らしいサービスとソムリエの活躍にも注目してください。

豪華な面々が集い、
年に一度のアワードが開幕!

授賞式は、虎ノ門にあるThe Okura Tokyo「平安の間」で行われました。年に一度、トップクラスの名店の皆さんが一堂に会する貴重な機会とあって、笑顔で握手したり、写真を撮ったりと、シャンパングラスを片手に各所で交流の輪が生まれていました。

会場が暗転し、オープニングムービーが流れると、いよいよ「The Tabelog Award 2020」がスタート。お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんと、フリーアナウンサーの平井理央さんが司会を務めました。今年で4回目のアワード出演となる渡部さんは、「この熱気ある会場の空気感、独特でしょう」とコメント。つづけて「本日は全国からおよそ300店、500名以上の方々がお越しくださっています。これだけ豪華な料理人の皆さんが一堂に会することは他にありません。今、私はテレビの特番よりも緊張しています」と、オープニングから興奮気味の様子でした。

食べログの創設者であり、カカクコム取締役の村上敦浩からの挨拶では、「The Tabelog Award 2020」の趣旨説明や、皆様への日頃の感謝とともに、「日本の素晴らしいお店をもっと世界に知ってもらいたい。そして、料理人の皆さま同士の交流の場にしてほしいと思っています」と、格別な思いを述べました。

魅力あふれるお店と
料理人を発表する部門賞

授賞式は「Chefs' Choice」の発表から始まりました。料理人から尊敬を集める料理人に選ばれたのは東京都「カンテサンス」の岸田周三様です。

昨年の受賞者である大阪府「本湖月」の穴見秀生様よりトロフィーを授与された岸田様は、昨年担当したドラマの料理監修に対し、「飲食業界は人材難が続いています。監修を通して、若い方たちに料理人への憧れを持ってもらいたかった。その気持ちが多くのシェフに伝わったのだと思う」と笑顔を見せました。また、「今後は水産資源の保護活動にも力を入れていきたい」と、自身が理事を務める「Chefs for the Blue」の取り組みについても触れ、強い決意をにじませました。

続いては、初ノミネート店のうち、ユーザー得票数が多かったお店の上位10位までを表彰する「Best New Entry」。新店のみならず、魅力が再発見された老舗にも贈られる賞です。

プレゼンターは食べロググルメ著名人としても知られる、俳優の髙嶋政宏さん。受賞11店舗が順に呼ばれると、代表者が登壇しトロフィーが授与されました。オープンからわずか1年5ヵ月で受賞となった東京都「山﨑」の山﨑志朗様は、渡部さんから今の気持ちを聞かれると「すごく嬉しいです。早く帰って仕込みしたいです」と答え、「もう少しいてください」と止められ、 厳かな雰囲気の会場を笑いで沸かせました。 また、静岡県「温石」の杉山乃互様は「シンプルに嬉しい。私の恩人である『サスエ前田魚店』の店主・前田尚毅さんに感謝を伝えたいです」とコメントしました。

「Best Regional Restaurants」は、
東西を代表する納得の2店

部門賞のラストを飾ったのは、どんなに時間をかけてでも食べに行く価値があるお店を東日本・西日本の両エリアから1店舗ずつ表彰する「Best Regional Restaurants」。東日本は秋田県の「日本料理 たかむら」、西日本は滋賀県の「徳山鮓」が受賞されました。「日本料理 たかむら」の髙村宏樹様は「これを機に、旅行を兼ねて東北地方においしいものを食べに来てほしいです」と、晴れやかな笑顔を見せました。父の徳山浩明様とともに「徳山鮓」を盛り立てている、息子の徳山那由太様は「父も喜んでいると思います。これからも、遠方から訪れてくださる方に喜んでいただけるような料理を頑張って作っていきます」と抱負を語りました。

プレゼンターを務めたフードコラムニスト・門上武司さんは「髙村さんは土地の食材に江戸料理を結び付け、丁寧に継承されている。徳山さんはさらなる技術を身に付け、新しい料理を生み出しています。お父さんから息子さんへ、その継承の仕方も見事です。本当に東西を代表するお店が選ばれたと思いますね」と言葉を添えると、会場からは惜しみない拍手が送られました。

期待と興奮が高まる中、
「Gold」「Silver」「Bronze」の発表へ

授賞式はついに、「The Tabelog Award」を象徴するGold、Silver、Bronzeの発表になりました。ここからは、今年で3年連続Goldのプレゼンターとしてトリを務めるお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の寺門ジモンさん、そして「公益社団法人 日本フェンシング協会」会長の太田雄貴さんも加わりました。

芸能界、そしてアスリート界きってのグルメで知られるお二人。寺門さんは「日本で一番おいしいお店ばかりが集まる今日は、僕にとって誕生日より嬉しい日!ここにいらっしゃること自体、もう料理人の夢。皆さんの努力が実を結んだ結果です。料理人の方が評価される場ってあんまりないですから!」と、発表が待ちきれない様子でした。
太田さんは、「いわば料理界のトップアスリートたちが集まっているわけですよね。素晴らしい名店揃いで最高に嬉しいですね」とコメントしました。

毎年趣向を凝らしている発表形式。今年は各店舗様に事前に封筒をお渡ししています。合図に合わせて、皆様一斉に開封。中にはGold、Silver、Bronzeと書かれたカードが入っており、そこで初めてご自身の店がどの賞を受賞されたかが分かります。

渡部さんが「今年の投票結果は接戦だったそうです。皆様は食べログの全体約90万店舗のうち、0.07%に選ばれた624店舗です」と話すと、会場内の緊張は最高潮に!
発表の瞬間を待ちわびる料理人たちの熱気の中で、「それでは、ご開封ください!」の合図が。その瞬間、テーブルのあちこちで歓声が上がりました。

Goldを獲得したお店が、壇上に呼ばれます。「今年のGold受賞店は34店舗。昨年は30店舗だったので、少なくとも4店舗は新たにGoldを獲得したことになります。ニューエントリーだけでなく、入れ替わりもあるかもしれませんよね」と太田さん。1店1店、呼ばれていくお店の名前に聞き入っていました。

トップシェフが集結!
Gold受賞店は錚々たる顔ぶれ

代表者の皆様が登壇し、ステージは一気に華やかな雰囲気になりました。「おなじみの顔から新たな顔まで!普段こんなにドレッシーな料理人の姿を見ないので新鮮だね」と寺門さん。トロフィーの授与後、寺門さん、太田さんとともにダチョウ倶楽部おなじみの「ヤー」のポーズで写真撮影を楽しむ受賞者の皆さん。授賞を見守る会場が和やかな雰囲気になりました。

そしてステージではGold受賞者の方々へのインタビューが続きました。渡部さんに「スーツに一番違和感がありますよね」といたずらっぽい笑顔で声を掛けられたのは、4年連続Goldを獲得している東京都「鳥しき」池川義輝様。「お店は狭いですが、このような賞をいただけて大変光栄です。感謝、感謝です!」と頭を下げていました。
同じく4年連続Gold受賞の福岡県「天寿し」天野功様は「受賞は自分だけの力ではない。家族もそうですが、(福岡県の寿司店の)近松さんやよし田さんなど、福岡が好きな皆の力があって、頑張った代表で私がもらえている、といった印象を持っています」と感謝の気持ちを伝え、会場からは大きな拍手が送られました。

喜びに沸く受賞者の皆様を見て、太田さんは「Gold受賞店はプレッシャーがあるかもしれませんが、来年もぜひ頑張っていただきたいです」とコメント。寺門さんは「皆さんの今までの仕事ぶりが評価された結果。日本の食のレベルがどんどん上がっていることを実感しました」と笑顔で讃えました。

今年も日本全国からお越しいただいたゲストの皆様と、親睦を深める素晴らしい機会となりました。
そして、日頃より「食べログ」をご愛用くださる皆様へも、この場をお借りして感謝申し上げます。
次回の「The Tabelog Award」にどうぞご期待ください。ありがとうございました。

食べログアワード2020
受賞者の声

カンテサンス

岸田周三

海洋資源を守り持続可能な漁業へ
シェフ達の声を束ね、届けたい

シェフは、芸術家ではなく職人だと思って日々仕事をしています。これだけ全国のシェフが一堂に会する場は他にはなく、会場で声をかけてくださったのが、実は自分が食べログアプリで行きたい店として保存していた店のシェフだった、という幸せな出会いもあります。今、特に力を入れているのは、海洋資源の保護活動で、有志の仲間と共に、政府に働きかけています。実現のためには業界が一丸となることが大切です。今回「Chefs' Choice」もいただきましたが、こういった活動も知って、共感していただけたのだとしたら、とても嬉しいです。

ほうば

新井正彦

イタリアと韓国、二つの半島
料理に共通点を見いだした先駆者

15年前から、イタリア料理と韓国料理の共通点を見いだす新しい切り口の料理を提供し続けてきたことが評価されたのかと思います。レストランは夢を提供する場所。東京や世界から、食べログを見られたというお客様が来てくださり、お客様の層が広がりました。「遠かったけれど来てよかった」と言われて、とても嬉しかったです。3月に閉店しますが、料理人は肉体的にも精神的にも負担の大きい仕事です。特にトップクラスの方は、お客様をもてなす気持ちが大きく、無理しがちですが、自分も大切にしながら、息の長い仕事をしていっていただきたいです。

ヴィラ・アイーダ

小林寛司

21年間の「積み重ね」の大切さ
若い世代にも伝えていきたい

和歌山県岩出という町にオープンして21年が経ちました。20周年を機に、1日1組、おまかせコースのみというスタイルに変更したなかで、初めて賞をいただけました。僕が表現したいことがすこしでもお伝え出来た結果なのかな、とうれしく思っています。昨年は、意図的にお店の外に出ようとした年でした。ほかの料理人と一緒に料理をして、自分になかった感覚を学べるのが、僕にとっての幸せな時です。和歌山の自然の中にある店と自家農園を拠点に、もっと自由に世界を旅して、地元の生産者やシェフを世界とつなげていきたいと思っています。

レストラン ウオゼン

井上和洋

新潟から初のエントリー
多様な自然を天然食材で表現

華やかな授賞式に参加するのは初めてで、とても新鮮でした。新潟といえば「米、酒」と言われることが多いですが、南北に長い新潟はとても多様な自然があります。私自身は四国の出身で、以前は都心で開業していました。しかし、趣味でもある狩猟や釣り、山菜やキノコ採りができる環境を求めて、妻の実家のある新潟に移住しました。多いときは食材の9割が新潟全土で採集した天然物で、ここでしか食べられないものも多いです。毎朝飼い犬と狩猟に行く生活は、自分の理想です。私の料理を通して、新潟の豊かさを知ってもらうことができたら、嬉しいです。

鮨 なんば

難波英史

1℃単位で寿司の温度を管理
世界に誇れる握りを目指す

魚の種類ごとに、魚と酢飯の温度を1℃単位で管理する、温度にこだわった「鮨 なんば」の提供方法を理解していただけるようになったことが、Goldの評価につながったのではないかと思っています。温度だけでなく、味の一体感を出すために、優しい味の魚は酢飯を小さくしたり、酢を合わせるタイミングを変えた2種類の酢飯を使い分けたり。「こんなお寿司食べたことがない」とお客さまに言っていただけるような寿司を、握り続けていきたいと思います。今年はオリンピックイヤーです。世界からいらっしゃる方々に「なんば」の寿司を食べてもらいたいですね。

鮨 おおが

大賀伸一郎

弥助

大賀淳行

寿司のスタイルも性格も正反対
親子受賞を果たした親子の絆

「40年この仕事をしていますが、息子と同時受賞は嬉しいですね。でも、息子とは全て正反対です。酢飯は先代から変えていませんし、お料理と寿司というスタイルで、お客様に『ホッとして楽しく食べられた』と言って頂けるのが一番です」(淳行様)
「自分は寿司一本で勝負したいです。関西は白身文化ですが、皆と同じでは面白くないので、豊洲『やま幸』のマグロを使い、酢飯も赤酢と塩を利かせた江戸前。寿司好きの方に『前よりも良くなっている』と言われると嬉しいです。やるなら一番、いつかGoldになれるよう頑張ります」(伸一郎様)

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