食べログユーザーの投票によって選出される「The Tabelog Award 2026」の授賞式が1月26日に開催されました。
10回目を迎えた今年は過去最多の出席者となり、会場は早くから大賑わいをみせました。
「The Tabelog Award」は2017年からスタートした、食べログユーザーの投票によって選出された国内レストランのトップオブザトップを発表する授賞式です。
レストランアワードはさまざまありますが、「The Tabelog Award」は覆面調査員や食のジャーナリストや専門家ではなく、
食べログユーザーが実際に訪れた日本中のレストランの中からそれぞれの“舌”で選んでいます。
食べログに会員登録(無料)していれば誰でも投票でき、男女比も年齢も外食の頻度もかける費用もバラバラ、
もちろん政治的圧力や忖度など皆無の、いわば完全なる国民投票によって決定される賞なのです。
その投票によって「The Tabelog Award 2026」では、全国約89万の掲載店舗のうち、わずか0.08%にあたる733店舗が
「Gold:この国のどこにあったとしても、生涯通い続けたいお店」「Silver:一生に一度は味わっておきたい、匠の技に出会えるお店」
「Bronze:レストランを語るなら、押さえておきたいお店」にそれぞれ選ばれました。
また部門賞として「Best New Entry:今年最も飛躍した初ノミネート店」「Best Regional Restaurants:料理を通して、
その土地の風土や文化を深く味わえるお店」「Chefs’ Gold:シェフが選ぶ、この国のどこにあったとしても生涯通い続けたいお店」も併せて選出されました。
そして今年は、「The Tabelog Award」のノミネート条件を10年以上にわたり満たすことを名称の由来とするコミュニティ「Club10-4」を新設いたしました。
授賞式は日比谷にある帝国ホテル「孔雀の間」で開催されました。受付を済ませた出席者はメイン会場前のホワイエに集まります。挨拶のハグをする人、記念撮影をする人、名刺交換する人、試食や試飲をする人、皆、この日を待ち望んでいたとばかりに楽しんでいます。「まもなく開演です。お席におつきください」とのアナウンスにそれぞれ席に向かいます。
皆が席についた14時半、美しい着物姿で現れたのは俳優の小芝風花さん。「日々忙しくしているから食事の時間を大切にしています。その時間に何度も助けられ、背中を押してくれました。おいしい料理は人生を支えてくれる。さまざまな食材を育てる生産者の方、私たちに料理を届けてくれるサービスの方、お店の空間を作るインテリアの方、メニューを考える方、裏で支えているスタッフの皆さん、そのチームワークがどんな日も私たちを優しく照らしてくれています。今日ここにいらっしゃる皆さんはまさにそのチームの中心となり、たくさんの人たちへ幸せを届け続けている方々。今日この場で料理という形で表現を続ける皆さんに、心からの敬意と感謝をお伝えしたいと思います。いつも幸せを届けてくださって本当にありがとうございます」と語ると、正面に設置された大きな3つのスクリーンにオープニングムービーが流れ、「The Tabelog Award 2026」の幕が開きました。
司会を務めるのは俳優の片岡愛之助さんとフリーアナウンサーの鷲見玲奈さん。はじめに主催者である株式会社カカクコム 上級執行役員 食べログカンパニー長の鴻池拓が「日々、料理と真摯に向き合い、お客様に多大な感動を提供している皆様を一堂にお迎えできることを光栄に存じます。皆様は伝統を守るにとどまらず、その感性と覚悟で挑戦し続けています。そうした積み重ねの一つ一つこそが今日の日本の食文化を形作り、次世代へと繋げる礎であると確信しております。その食文化を伝えるためには次世代の作り手と次世代の食べ手を育むことが重要であると考え、日本、そして海外へ発信する準備が整いました。「The Tabelog Award」は決して順位を競うものではありません。皆様の日々の挑戦を称賛し合い、刺激し合い、明日への活力に繋がれば幸いです」と挨拶の言葉を述べました。


さあ、いよいよ各賞の発表の時間となりました。まずは部門賞から。最初に発表されたのは「Best New Entry」です。この賞は「The Tabelog Award」に初めてノミネートされた店が対象、ユーザー投票数上位12店舗に贈られました。受賞した代表者が名前を呼ばれ次々と登壇、「白鶴酒造株式会社」マーケティング開発本部 部長 坂田隆宣氏からトロフィーと表彰状、副賞として「超特撰 白鶴 天空 中取り 純米大吟醸 白鶴錦」が贈呈されました。受賞したのは東京都「焼肉幸泉」「Ji-Cube」「Megriva」「参宮橋 あさや」「鮨一幸」「礒田」「貴山」、「揚雫」、京都府「NÖMI RESTAURANT」、石川県「木佐貫」、長野県「Naz」、佐賀県「中華 大しげ」の12店舗。記念撮影の後は京都の料亭で働きたいという夢を持っている「中村調理製菓専門学校」の男子生徒からの「読むべき本やインプットするべきことを教えてください」という質問に「Ji-Cube」の佐々友和シェフは「強い気持ちを忘れずに頑張ること!」、また「NÖMI RESTAURANT」の山本遊士丸さんは「先輩方のアドバイスを素直に聞き、日々努力すること。読むべき本は藤原将志さんの『包丁研ぎの技法』をお薦めします」と答えました。
続いて都市部以外のエリアでどんなに時間をかけてでも食べに訪れる価値がある店「Best Regional Restaurants」に福島県「HAGI」、千葉県「PRESENTE Sugi」、静岡県「馳走西健一」、兵庫県「串かつ あーぼん」、佐賀県「kate cuore」、岡山県「すし処 ひさ田」の6店舗が選出。「株式会社グローバル」マーケティング本部 副本部長 中田 学氏より、トロフィーと表彰状、副賞には「UTO 360cc 6個入り」と「グローバルDRY&POLISHグラスタオル」が贈られました。「駒場学園高等学校」の女子生徒からの「レストランは東京の方が人の数が多く話題になることが多いイメージですが、今の場所に出店した理由と工夫を教えてください」という質問に「kate cuore」湊 純也シェフは「牛を育てるレストランがやりたくて佐賀に移住しました。お客様に料理を通じて佐賀の素晴らしさを伝えることを心がけています」と答え、会場からも大きな拍手が起こりました。
次はノミネート店の料理人たちが、“今、おいしいと思う店”に選んだ「Chefs’ Gold」が発表されました。贈呈するのは「霧島酒造株式会社」営業本部東京支店 支店長 吉野晃一氏。選ばれた13店舗の顔ぶれは山形県「出羽屋」、東京都「Chez Inno」「新ばし しみづ」「日本橋蛎殻町 すぎた」「Quintessence」「茶禅華」「SÉZANNE」「C ÔTE D’OR」「明寂」、富山県「L’évo」、静岡県「成生」、京都府「徳ハ本也」、大阪府「本湖月」となりました。吉野氏からトロフィーと表彰状、副賞に「霧島酒造 黒霧島益々繁栄」が贈られました。「辻調理師専門学校」の女子生徒から「料理のこだわりを教えてください」との問いに「新ばし しみづ」の清水邦浩さんは「あまり強くこだわりを持たず、すべきことを毎日積み重ねていくことが成果となる」と答えました。「大阪府立咲くやこの花高等学校」の女子生徒からはこれまでの挫折経験と乗り越え方を質問され、「成生」の志村剛生さんは「何度もそういう場面はあったが、周りの人やお客様に支えてもらい乗り越えることができた」と述べると壇上にいる受賞シェフたちも大きく頷いていました。

「残念ながら来場が叶わなかった店も含めた受賞店733店舗は、厳しい目を持ったユーザーから熱い支持を受け選び抜かれた皆様です。皆様の情熱と努力によって私たちの心を豊かにし、おいしい料理を通じて幸せを届けてくれることに感謝申し上げます。そしてここにお集まりいただいた日本が誇る頂点の料理人の皆様にその栄誉を讃え『The Tabelog Award 2026』を贈呈したいと思います」とゲストMCの片岡さんの言葉の後、「食べログ掲載店89万店の上位0.08%、究極の733店舗、いよいよ発表です!」との声に会場は一瞬緊張が走ります。正面のスクリーンに北海道から沖縄県まで、「Bronze」に選ばれた537店の名前が流れました。続いて「Silver」受賞160店舗の紹介です。初選出は10店舗、ユーザーが選ぶからこその結果に誰もが納得です。
そしていよいよ「Gold」が発表されました。受賞したのは昨年から1店舗増え、36店舗。プレゼンターは株式会社カカクコム 代表取締役社長 社長執行役員の村上敦浩が務めます。はじめに呼ばれたのは東京都「銀座しのはら」の篠原武将さん。自信に満ちた表情で登壇します。続いて同じく東京都の「かさ原」、愛知県「橦木町 しみず」、大阪府「本湖月」、東京都「島津」、静岡県「成生」「温石」、東京都「茶禅華」、長野県「日本料理 柚木元」、東京都「三谷」、大阪府「鮨 三心」、京都府「道人」、東京都「鮨 あらい」「aca 1゜」、三重県「こま田」、京都府「徳ハ本也」、静岡県「馳走西健一」、福岡県「近松」、東京都「日本橋蛎殻町 すぎた」「蒼」の順に登壇。来場できなかった東京都「さわ田」「鮨 さいとう」「松川」「新ばし 星野」「たきや」「東麻布 天本」「赤坂 らいもん」「鮨 一幸」、石川県「片折」、長野県「Naz」、静岡県「瞬」、京都府「緒方」「啐啄 つか本」「飯田」「仁修樓」、兵庫県「北野坂 木下」の名前も披露されました。
片岡さんがマイクを向けると、初の「Gold」受賞となった「こま田」の駒田権利さんは感謝の言葉と「毎日一生懸命自分のできることを出し切るだけ」と、「徳ハ本也」の松本進也さんは「ここまで育てていただいた皆様、スタッフ、家族があってこそ受賞できました。これからも一層精進します」と、「島津」の島津千周さんも「妻である女将、スタッフ、仕入れ先、支えてくれた人たちに受賞の喜びを伝えたい」とそれぞれが答えました。晴れやかな笑顔のトップシェフたちに会場は拍手喝采。お祝いムードは最高潮に達しました。
2017年に始まった「The Tabelog Award」。10回目を迎えた今年、新たなコミュニティが誕生しました。その名は「Club10-4」。「The Tabelog Award」で合計10回以上受賞した店舗によって形成されるコミュニティで、来年以降も、継続的な実力と長きにわたり支持され続けた功績の証としてその栄誉を讃えていくものです。認定された店舗は151店舗。スクリーンに流れる偉大なる店舗名に会場は尊敬の眼差しで見つめます。片岡さんから「名前のあった店舗の皆様、ご起立をお願いします」との声に、2020年に起こった未曾有の事態にも立ち向かい、乗り越え、10年以上も全国のユーザーから支持されるという偉業を達成した皆さんが立ち上がりました。代表して東京都「鳥茂」の酒巻祐史さんが認定証と「サントリー株式会社」ウイスキー部 部長 小田 明氏より「碧Ao」を受け取りました。
すべての賞の表彰が終わり、片岡さんは「感動しました。皆さんが口々に仰るのは感謝の言葉ですね。感謝の言葉を伝えるということはこんなにも大切なのだと改めて思いました」と語り、「一つ一つの店舗こそが日本の誇る匠の技を世界に発信し、食の文化を魅力的で活気に満ちたものにしてくれる立役者であり、その努力と情熱はかけがえのないものだと思います。美味しい料理と素晴らしい体験を通じて幸せを届けてくださることに改めて心から感謝申し上げます」と鷲見さんの言葉で授賞式が終了しました。


今年もたくさんの人と交流できるようにと変わらずのスタンディングスタイル。全国から料理人が集まる「The Tabelog Award」ゆえ、あちこちで写真撮影や名刺交換が行われ親睦を深められていました。多忙ゆえ、普段なかなか会うことができないシェフたち。「ここで会えるのを1年間、楽しみにしていた」と、普段見ることのできない満面の笑顔です。皆さんのもう一つのお目当てはフードとドリンク。懇親会会場内には今年も「The Tabelog Award」に相応しい名店たちが特別にブースを構え、この日のための特別メニューやお店を象徴する逸品を提供。昨年に引き続き「おにぎりぼんご」と「Ramen Break Beats」には早くも行列ができています。「昨年、食べられなかったから先に食べる!」と「おかしやうっちー」のケーキを頬張るのは「鎌倉 北じま」の北嶋靖憲さん。今年は“サステナブルをおいしく”をテーマにし、「エシカルジビエ」「陸作信玄えび」「伝統野菜」を使った料理や、「福の川いしだ」の3種の出汁で作ったおでんが大人気!また、予約9カ月待ちの「発芽そば ゆき」の店主の井上友貴さんによる手打ちそば、「SALUMERIA 69」の生ハムにはもちろん酒番・多田正樹さん厳選の日本酒をペアリング。この上ない至福の味に名だたるシェフがリピートしていました。
料理人だけではありません。生産者にもスポットライトを当てるのが「The Tabelog Award」。数多の料理人が懇願する、愛媛県今治の漁師、藤本純一さん、静岡県焼津「サスエ前田魚店」の前田尚毅さん、神奈川「さかな人」の長谷川大樹さんの三つ巴ショットが見られるのもここならでは。「(Best New Entry受賞に)びっくりしました。無理を言っても頑張ってくれているスタッフに感謝です」(「Ji-Cube」佐々友和さん)、「Bronzeいただきました。来年も頑張ります!」(「L’ETERRE」田篭彬さん)、「テレビで見たシェフがたくさんいらっしゃるのですごいなと思いました。僕らは刃物好きから料理の道へ入ったので、料理の師匠はいないのですが、今治漁師の藤本純一さんはじめ、皆さんに教えていただきここまで来られたことに感謝しています」(「NÖMI RESTAURANT」山本遊士丸さん、陽之進さん、凛志郎さん)、「華やかで本当に楽しい! 全国ユーザーの皆様のリアルな評価なので大切にしています」(「茶禅華」川田智也さん)、「スーパーシェフだらけの光景はここしかないので毎年必ず来ます!」(「デイリーフレッシュ」代表 秋山具義さん)、「前代未聞のパーティー。(来場シェフの)ほぼ80%と知り合いですが、ここまで集まるのはここだけ。『Club10-4』に認定された店も本当に素晴らしい」(タベアルキスト マッキー牧元さん)、「自分のやるべきことをやった結果としてSilverをいただけて本当にうれしいです。でも料理人である以上、Goldを目指します!」(「鮨 西崎」西崎亮平さん)、「今年もSilverでした。来年こそ壇上に上がりたい!」(「天麩羅くすのき」楠 忠師さん)、「GoldからSilverになってしまい残念です。フランス料理の技術と文化を死ぬ気で持って帰ってきてくれた井上シェフたち先人に感謝しています。一番影響力のあるアワード」(「Chez Inno」手島純也さん)、「(初Gold受賞に)ステージの上からの光景は本当に目眩がしそうでした。不便なところで店をやっているので一生のうちでGoldがいただけるなんて思っていませんでした。本当にうれしい!」(「こま田」駒田権利さん)と、口々にこのアワードは大切な存在だと語ってくれました。師や友人と話すことで日々の緊張がほぐれたり、新しい出会いがあったり、新たな目標ができたりと存分に楽しみ、また来年集まることを約束してそれぞれの場所に帰っていきました。
今年も日本全国からお越しいただいたアワード受賞店の皆様に親睦を深めてただく会となりました。
新しく創設された「Club10-4」に認定された151店舗、各賞を受賞された733店舗の皆さんが、日本の食文化の歴史を守り革新し、世界へ、そして未来へ繋いでいることに敬意を表します。
このアワードが料理人の方々の意欲やパワーに少しでも役立つことができたら本望です。そして、日頃より「食べログ」をご愛用くださる皆様へも、この場を借りて感謝申し上げます。
そして次回の「The Tabelog Award」もどうぞご期待ください。ありがとうございました。